第一章

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あれは、俺がまだ小学校低学年の時のこと。 この時はまだ、生まれつき風邪を引きやすいということ。 そして、免疫力が通常の人よりも低いということしか分かっていなかった。 「ごほっ....ごほっ....」 「慧音、大丈夫?」 「拓誠。うん。大丈夫だよ」 なんとなく自分の体に異変が起き始めているのは、わかっていた。 だけど、拓誠や両親。本気で心配してくれる人達の前で、弱音を吐きたくなかった。 もし、あの時に俺がしっかりと自分の体調が悪いことを言っていれば、あんな事態にはならなかったのだろうか? 否、きっと何一つ変わっていなかったであろう。 だって、俺の心臓はとうの昔に壊れていたのだから。 それからというもの....俺は、ちょくちょく倒れる日々が続いた。 最初は立ちくらみや頭痛などだった。 しかし、レントゲン検査をしても異常は見当たらなかった。 12月というのもあり、インフルエンザだろうと診断された。 暫くすると咳も収まり、熱もなく。すこぶる調子が良くなった。 他には、睡眠中に胸が圧迫され、少し苦しくなり目が覚めたり。 寒い日や運動をしている時など,胸が圧迫されるような,押されるようになったりしたし。
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