2:状況確認完了です

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米田先輩は宇宙生命体だ。 人間に擬態している。 元はエンドウ豆みたいな生命体で、宇宙のいろんな生命の分泌物を取り込むことによって、その生命体と同じ姿になれるらしい。 とはいえ醜美は元の資質によるらしく、米田先輩は産まれたままの姿、つまり豆の状態でもイケメンのようだ。 今はどこかに置いてるみたいだけど、あのデッカい米は米田先輩の宇宙船みたいな移動装置らしい。 飛行機とか、ロケットみたいに推進力に依存した移動方法ではないので、一般的にイメージする宇宙船みたいにフラフラ飛び回ることはないんだそうだ……? そして、米についた害虫みたいなプヨンプヨンは米田先輩で、先輩が前に居た星の生命体の姿らしい。 イケメンの自覚がある米田先輩に、失神&失禁するほど驚かれたことを遠回しに責められる。 「他種の醜美を判断できないなんて、人類は見識が低過ぎる。」 …とか言われても、バケモノかウルトラ怪獣にしか見えなかった。 そして、米田先輩をあっさり受け入れてるこの状況にもちょっと違和感がある。 オレ、多分なんかされた…。 「銀河系に生きる生命体としての平均的生命認識を流し込んだだけだよ。」 と、ニコリとイケメンスマイルで言われる。 これは、ありがとうございますと言わなきゃいけない空気感…。 つまり、人権とかそんな感じのことを教えてもらったってこと? よくわかんね。 「で、米田先輩はどうやって人間の分泌物とか取り込んだんですか?」 さりげなさを装って、聞いてみる。 血をすすったとか、人を食ったとか、そんなホラーな憶測が脳裏をよぎってしかたがない。 先輩をあっさり受け入れさせられてるのに、これからのホラー展開は………いやだ。 「ああ、ちょうど啓介が排泄物を分泌していたから、それを取り込ませてもらったよ。ありがとう。啓介。」 「どういたしまし………てぇえっっっ?」 それって…つまり…つまり…。 ああああああああああああああああああああ。 いや、この柔らか爽やかイケメンな米田先輩がオレの黄色い液体をすすったわけじゃない。接種したのはあの虫であり…虫だから……いや、結局のところ同一人物なんだけど。
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