2:状況確認完了です

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そのとき降ってわいた卓球部の新設。 卓球部となることで、特待生扱いは無理でも、学費の割引と、スポーツ特待生と進学特待生ばかりで一般生徒が入ることなどほぼない寮に格安で入ることができるようになった。 ちなみに、卓球部としては、まだ中学生だったジュニア最強ペアが3月に高校に練習に来た5日間、球拾いをつき合っただけだ。 春休みの今は海外遠征でそいつらもいない。 他の部員もお付き合いなので自主的に部活などするはずもない。 さらに言えば、他の部活も全国大会やら、遠征やらで、寮にはほとんど人がいない。 オレがいるのはこの学校にあっては弱小部扱いの地区大会上位止まりの部活の生徒が入る、古い『中山寮』で最上階の四階。 エレベーターなどのないこの寮では上の階にいくほどカス扱い。 四階はなんちゃって卓球部のオレだけだ。 格安で入らせてもらってるのだから、野球部やサッカー部の入る綺麗で立派な富士寮をうらやんだりなどしない。 なんだか掃除の担当エリアは広いが、うるさい先輩などいなくて気が休まるくらいだ。 が、急に先輩ができた。 そしてスポ根をしたいと言っている。 でもオレ、スポ根とか………したことねぇよ。 「スポ根って、具体的に、何がしたいんですか?」 「ああ、良く聞いてくれたね、それじゃあ、さっそくつき合ってもらっていいかい?」 米田先輩が、握ったオレの手の甲に、チュッとキスを一つ落とした。
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