シナナイ ミライ

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ヒトの体は約40から70兆個の細胞で出来ています。細胞の種類は約260種類と言われており、一日に約3000憶個の細胞が死に、それと同じ位の新しい細胞が生まれます。 今から半世紀程前になりますが、人工多能性幹細胞が開発されました。 多能性幹細胞とは、様々な組織の細胞へと分化できる能力を持つ未分化の細胞で、人工多機能性幹細胞は、ヒトの皮膚などの体細胞に、複数の遺伝子を導入することで、培養・増殖が可能な多能性幹細胞に変化する細胞を指します。 人工多機能性幹細胞の開発によって、医療は更なる発展をし、癌の克服や臓器の再現、パーキンソン病などの再生医療に大きく貢献し、我が国の平均寿命も男女共に100歳を越えました。 現代は、殆どの病気が克服できる時代になったと言っても過言ではありません。 我々、最前医療研究機構では、更なる高みを目指して、新薬の研究を日夜続けています。 当機構が開発した「エターナルライフ 4771」は、服用し続けることで、多機能性幹細胞を刺激し、細胞分裂を促す薬です。 簡素に説明するならば、自分の体内にある細胞を増やし、どんな病気も跳ねのける強い体を造る手伝いをするという訳です。 また、刺激された細胞はほぼ無限に増殖可能になるので、加齢による細胞の減少にも効能し、若返りが見込めるという実験結果も出ています。 「エターナルライフ」は改良を重ねて、この度の臨床実験に至ります。4771はこれまでの試作品の数を表しています。 その新薬の名の通り、「永遠の命」こそが我々の研究の最終目標なのです。
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