プロローグ

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「お姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃんお姉ちゃん!」 「何よ由紀。高校生になったんだから、少し落ち着きなさい。」 慌ただしく部屋に入ってきたのは、高校生になったばかりの妹の由紀。 「慌てるなって言う方が無理よ。やっと届いたのよ、ドリームチェイサーが!」 50センチ四方の箱をどや顔で掲げる由紀。 「ドリームチェイサー?ピグ○リオのオープニング?」 「お姉ちゃんからアニメネタが出るなんて………」 成長した我が子を見るような目で私を見つめる由紀。 「スケバ○刑事はヒットしたけど………」 「ピグ○リオはねぇ、原作の終わり方もアレだったし。」 うん。私も由紀に毒されたわ。声優としてはいいのかも知れないけどね。 「………って、今はアニメ談義をしてる場合じゃなかったわ。これをお姉ちゃんに渡しに来たのよ。」 差し出されたのは、白猫ムサシの宅急便の箱。 「お姉ちゃん用のドリームチェイサーがやっと届いたのよ。早く開けてみて!」 ドリームチェイサーは人類初、VRMMOを遊ぶ事が出来るゲーム機の名前。 と言っても、今は遊ぶ事が出来ない。
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