第1話―変化―

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「じゃあ、もう少し調べてみましょうか。ご主人の事、依頼人の事。まだできる事、あるかもしれませんしね」 「ああ…」 そういいながら、直樹は抱きしめる力を少しだけ強める。 その手つきを不審に思い、腕で直樹の体を押しのけた。 「いい加減離れろ、人に見られたら…」 「今日は俺たちしかこの客間使う人いないから大丈夫ですよ」 耳元でささやかれ、体が硬直する。 この雰囲気、やばい… 「そういう問題じゃ…ちょっ、顔近っん…ふぅ…っやめ…んっ」 「…ほんと、可愛い…隆さん」 「んっ…!」 再び深いキスをされ、気づいたらネクタイが外されシャツのボタンも外されていた。 「ちょ、馬鹿!お前ここどこだと…あっ!」 「事務所でしょ?職場でとか、燃えるじゃないですか…」 「んぅっ…はっ…やだ、やめ…っ」 乳首に舌を這わされ、抵抗する力が弱ってくる。 くそっ…急に発情しやがって…! 舌が徐々に下腹部へと下がっていき、いつの間にか緩んでいたベルトを外され 自身のそれへと今度は舌を這わせる。 「あっ…!馬鹿、それは…やだって…っ!はぁっ…あっ…ん」 「ダメなんですか?こんな硬くなってるのに?」 「んぁっ…はっ…てめ、いい加減に…っ…しろ!!!」 「がはぁっ!!」 唇が一瞬離れたその瞬間に、顔面を思い切り殴りつける。 「調子にのるな、馬鹿犬」 「いってぇー…本気で殴るんだもんなぁ、もうっ」 息を整えながら服を直してると、頬を抑えながら涙目で再び近づいてきた為 右手で頭を掴み押さえつける。 「当たり前だ馬鹿野郎!!次やったらこの程度じゃ済まさねぇからな!!」 「でも三ツ谷さんだって気持ちよさそうだったのに~…」 「なっ…んなことっ…」 思わず掴んでいた手を離して、顔を反らしてしまう。 悔しい事に、きっと今の俺の顔は真っ赤だろう。 「あーもうほんっと可愛い!!!」 「もう一発殴られたいのか?」 「すみませんでした」
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