第2話―嫉妬―

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「はぁ…」 携帯のアドレス帳画面を睨み続ける事約5分。 俺はある人物への連絡を躊躇っていた。 意を決し、通話ボタンを押す。 (出ないで欲しい…が、出てもらわなきゃ困る…) 3コール程した後、通話を取る音がする。 (うわ、出やがった…) 「お世話になります。藤宮探偵事務所の…「隆ちゃんじゃなぁああい!!!やっだぁ久しぶりぃいいいい!!」 (こうなるから電話すんのやだったんだよ…) 電話越しに響く低く野太くも甲高い声。 「あのですね…「何なにー?え、今何してんの?一人?」 「仕事中です。あの、「えーなんか隆ちゃん他人行儀すぎない?冷たくない?えー寂しいんだけどー」 「いや、ですから仕事中でし「なんか隆ちゃん冷たいから泣きそうなんだけどー久々の電話なのにさぁー私は声聞けてこんなに嬉しいのに。私ばっかり嬉しくてやんなっちゃう!あーあ、もう隆ちゃんなんか嫌い!」 その一言で俺はブチ切れた。 「うるせぇなこっちの用件を言わせろ!!雄一!!」 「あー、怒ったぁ!ひっどぉい!」 電話越しの相手。 竹中雄一。紛れもなく男で、ゲイで そして 「仕事の話だ。まともに取り合え馬鹿野郎が」 「仕事?はぁ…わかったよ。んで?何だよ」 「調べて欲しい事があるんだ」 「あ?まぁ構わねぇがちょっと時間もらうかもしんねぇぞ。ちょっと今組内もバタついててよ。自由に動かせる人間限られてくんだわ」 ヤクザだ。
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