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「俺専門外ですけど」
「だぁからサポートなんじゃん。それぐらい、専門外でも優秀な隆くんならできるっしょ?まあ詳しくは相談員に聞いてケロ」
俺の肩を叩き、所長は自分のデスクへと戻っていった。
「チッ…めんどくせぇな…直樹」
「え、あ、はい!」
「相談員は多分高橋だ。あいつに話聞いてプラン練ってこい」
「はい!」
俺の一言で直樹も自分のデスクへ向かい、行動開始した。
それを横目に、俺は今回の依頼に役立ちそうな資料を棚から引っ張り出す。
探偵という職業は、いくつか仕事内容がわかれてくる。
一番オーソドックスな調査は、どこの事務所も多く取り扱う"浮気調査"。素行調査と呼ばれるものの中に、この浮気調査を含めているところもある。
そして企業専門の調査。新人の経歴調査や社員の素行調査等、個人が個人を、ではなく会社が個人を調べる事を主に行ったりする。
大きくわけて調査内容はこの二つに絞られ、俺がいるこの探偵事務所はどちらも取り扱い、俺はその企業専門で動く事が多い。
なのに、なんで今浮気関係の資料を手にしてんだろうな。
大きなため息をつき、デスクでいそいそ準備している直樹の前にその手にしていた大量の資料を叩きつけた。
「これ全部目通しとけよ」
「は、はぁい……今日も安定の厳しさ…」
「なんか言ったか?」
「い、いえ!別に…」
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