第1話 アーマーシステムの適合者

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 亮人のふらつきが遂に頂点を達した時だった。意識が再び朦朧とする中、目の前にいたのは人。でも、気づいた所で何もできない。痛みがひたすら頭に走り続け、思考回路が極端に落ちていた。で、体の赴くままにその人に倒れ込んでしまった。  はっきりと意識はないが、それでも亮人はほっとした。倒れるのは免れた。この人には迷惑をかけたが、もたれ込んだ胸は平ら。まな板の胸ならばまあ問題は低い。もし、マシュマロがそこにあったらきっとさらなるダメージを負ってい…… 「なっ……、なっ……、なっ……」 「な?」  何か声が聞こえてくるのに気が付き、少し意識が戻ってきたのもあって顔を上にあげてみた。そこには、黒髪ショートヘアでこじんまりとした顔。ごつごつしている訳では無く、綺麗で可愛い顔していて……、 「お……、男じゃな……い?」 「こ……、この……! デリカシーのない、ド変態が――――!!」  と、次の瞬間に何故か世界がくるっと一回転した。ついでに足は地面を離れ、いつの間にか宙を舞っている。もしかして……、足払いされた? 「問答無用ッ!! メ―――――ン!!」  更に、何処からか出てきた竹刀が見事亮人の脳天を直撃。本日二度目の気絶に入った。
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