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再び喧嘩腰になった二人に、ただただため息が出た。 ここまで相性が悪いのを見たのは、新見と沖田以来だ。 さらに最悪なことと言えば、二人は新見や沖田よりさらに年が若いため、大人な対応が難しい。 思春期って大変だな、と現実逃避をしかけたが、仕方なく現実に戻って再び二人の間に立とうと口を開きかけた。 が、その前に浅野が目を背け、私を見て告げた。 「これから仕事があるので、今日はこれで。次回はぜひ、治す所を拝見させてください」 「怪我人が出たらね。出ないことを願うけど」 「それもそうですね。それでは」 いつものふわりとした笑みを浮かべて浅野はそう言うと、最後に楠を再度睨みつけて離れを去っていった。 その背を楠も睨みつけ、見えなくなると息を吐いた。 「なんでそんなに浅野さんを敵視すんの?」 「……これと言った理由はないです」 「ないのかよ」 「ただ、本能が…………あいつは危険だって言ってるんです。だから、あいつとは二人きりにならないでくださいよ、朔先生」 「そんなに心配しなくても……。まあ、努力はするけど。一応弟子らしいし、仕事なら断れないからな」 「仕事なら、どうにかして俺も一緒についていきます」 「……本当、立派なストーカーというか、下僕というか……」 「せめて用心棒で」 良い響きにして丸く収めようとするなよ、と心の中で反論したが、己を信じて心配してくれる人がいるだけで心強いのは確かだった。 真面目な顔でこちらを見ている楠の膝を叩き、「さて、オレたちも仕事しますか」と立ち上がった。
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