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「なに笑ってるのよ。」 「いや、別に。 菜月は可愛いなと思って。」 菜月は翠より可愛いと思うよ。 だけど、笑ったのはそんな理由じゃなく翠にキスしているところを見せつけたかったからなんだ。 俺を追ってきたのに笑わない。 むしろ嫌そうな顔した翠が面白くなくて意地悪したくなってしまった。 だからって見せつけたところで、翠が傷ついたりするはずもなく、なにをやっているんだろう。 なんだか急に虚しくなってしまった。 そんなことを考えながら駐車場に着くと、菜月は秋に抱きついた。 「さっきは買ってくれてありがとう。」 「どういたしまして。 寒いから早く車に乗って。」 秋はすぐに菜月から離れると車に乗り込んだ。 それからアクセルを踏むと、二人は夜の道に消えていった。
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