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お腹がなるロザリィ、口も顔も緩んだ状況でこう言う
「いただきま~す」
ムシャムシャと食べ始める、案の定ロザリィは全てを平らげたのだった
「ふぃ~」
お腹をポンポンと叩き満足気に息を吐く
「飯も食ったしそろそろ宿に行くぞ」
「う、うん」
ウィルと大きく膨れたお腹をしたロザリィは、店を出て近くのホテルへと到着する
「予約を入れてるウィルとロザリィだが」
一般的な宿舎と言ったところだろうか可もなく不可もなくしかし居心地の良さそうな所だった
「ウィル様とロザリィ様ですね、はい、うけたまわっております」
フロントから鍵を2つ渡される
「はい、お前の部屋の鍵だ」
ウィルはロザリィに鍵を渡す
「んじゃ、これ」
と、一つのイヤリングを渡す
「何だよこれは…」
紫色のクリスタルがあしらわれている、それをウィルは天井にある照明の光で見透かす
「魔術通信機、耳に着けて、何かあったら連絡」
「おお、サンキューな」
そう言うとウィルは片耳に着ける
二人は自分の部屋へと向かう、まぁ隣同士なのだが……ロザリィが話す
「用事がある時はノックしてからね」
「ああ、心得た」
と、部屋に入りウィルは報告書をまとめ始める
「どれどれまずは……っと」
隣の部屋
「あ、シャワーついてる」
といそいそと服を脱ぎ始める
「今日は歩き疲れたし汗もかいてるし、さっぱりしよーっと」
ブラジャーを外した所でこんこんとドアノックする音
「ウィル?後にしてー」
すると声は先程聞いたホテルの従業員だった、少し焦り気味で話す
「お、お客様、フロントの方にウィル様とロザリィ様の知り合いの方がおいでになられているんですが、血を流されて」
急いで着替えロザリィは部屋を出た、その話が聞こえた隣の部屋のウィルも部屋を出る
二人は従業員とフロントへ向かう、するとそこには一人の少女が床に座っていた
左の脇腹から多量の血が流れ、汗をかき呼吸が荒い
「ムェルテ!!」
「ロ…ロザリィ…ウィル…お兄ちゃん…」
ムェルテは気を失う、ロザリィはムェルテに近づき手をかざす
「リカバリーエイド」
すると傷口が緑色に光り、泡立ち塞がる
「私の部屋に運ぶわよ」
ウィルが部屋のベッドに運び数分後意識を取り戻す
「ん…ここは、ロザリィ」
目覚めてすぐに安堵した表情を見せる、ベッドの横にロザリィが座って手を握っていたのだ
「良かった…」
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