始動

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ロザリィもそれに安堵する 「おっ、起きたな」 ウィルもカーテンの閉まった窓のカーテンを少し退かし外を見ながら話す、少し険しい顔をしている 「で、ムェルテ起きて早々すまないが何があったか説明してくれるか」 「ウィル!!」 ロザリィは少し怒り気味で言う 「申し訳ない、だが事態は一刻を争う可能性が高い」 「いいよ、ロザリィ、あのね?」 ______話はさかのぼる、ロザリィとウィルが店を後にした後の事だそうだ______ 夕日も沈み外は暗がり、店の明かりを消しその日の営業を終了しようとムェルテが店の看板をしまおうとしたその時だった 赤いローブを着た男女二人組が立っていた 「つかぬことお尋ねするが、ここはネクロマンサーの魔術屋か?」 「いいえ?違いますけど、ここは雑貨屋さんですよ?」 何かを察し、にっこりと笑顔で返すムェルテ 「そうか…」 赤いローブを着た女はそう言うと店の近くまで寄ってこう言う 「ではなぜ店の中に魔術師や死霊魔術師が占いで使う『マルディシオン草』があるのかしら?雑貨屋には不要なアイテムよね…」 夕日が沈んだ暗闇の中、ムェルテを横目で睨む、その女の瞳は黄色く光っていた 「…ガスト」 ムェルテはそう言うと瞬時に後ろに下がってその場から離れる 「殺り逃がした、追うぞ」 ローブを着ているその女の右手にはすでに剣が握られ血が滴っている 二人組は急ぎ後を追う、詠唱無しにガストと同じような高速移動をする 「ハァハァハァハァ…い、い、い、痛いよ…」 涙と右脇腹から血を流している右手で患部を押さえ痛みにこらえ走る 土地勘があるムェルテが彼らを撒くのには時間は掛からなかった 「…見失ったか」 懐中時計を見て赤いローブを男は喋る 「まぁ良い、いずれ見つかる、時間も無い、次へ行くぞ」 「御意に」 そう言うと赤いローブの二人組は姿を消した、そして近くにある建物の影にムェルテがいた 呼吸は荒く、傷は深いその後はムェルテはロザリィとウィルの居るホテルへと力を振り絞り向かったのであった_____ アゴに手を当てウィルは言う 「赤いローブ…か、ロザリィ今すぐムェルテを連れてこの街から離脱しろ、あとの調査は俺が終わらせる、魔力データを回収してすぐに合流する」 そしてにっこりと笑顔をするウィルにロザリィは言う 「分かった、でもすぐに喧嘩売らないようにね」 「ああ…心得た」
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