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「んで、ゆうくん。ぼく思いついたんだけど・・・。」
一体どうするつもりなんだ?疑問に思いつつ、様子を見ていると────
「!?」
ぐしゃぐしゃ、ぶるぶるっ!
「ばっ、バカ、お前何してんだよ!?」
目の前のいおりは、きのこになっていた。いや、きのこみたいに、目の下までボサボサの髪に覆われていた。
「へへー、こうすればいいかなって思って・・・・・・。」
「良くねえだろ!折角の綺麗な髪が!」
急いで、てぐしで整える。もー、ほんとにばかだ!
「・・・・・・。」
「・・・・・・うし!これでいいな!」
・・・・・・?いおりのやつ、何ポカーンとしてるんだ?
「・・・どうしたんだ?」
「あ、いや・・・・・・。その・・・・・・。」
・・・なんで、そんな照れてんだよ・・・。
なんか、ソワソワするじゃねえか・・・。
「・・・は、早く言えよ。」
「あ、・・・・・・。」
「・・・さっきゆうくんが、ぼくの髪、・・・綺麗って言ったから・・・。」
「!?!?な、ソ、そそそんなこと、言ってねえよ!ばっ、ばっかじゃねえの!?」
「えー!?言ったよ!」
何考えてんだ、こいつ!おれがそんなこと言うわけないだろ!言ったけど!
もう・・・、顔が熱い・・・。
でも、さっきの空気がぶち壊されてちょっとホッとしてる自分もいた。
その日、いおりは女の子にモテ続け、ずっと一緒にいた俺は睨まれていた。
・・・・・・少しでいいから、いおりに向ける優しさをおれにもくれよ・・・。
ま、帰り道でいおりに
「ねえ、君・・・。おじさんの家に遊びに来ないかい・・・?」
って声かけてきた怪しいやつは追っ払ったけどな!ふふん!
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