文句なんて・・・ねぇよ。

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「それにしても、あの時のゆうくん、可愛かったよねー・・・。」 「ああ!?何バカな事言ってんだよ!」 クスクス笑いながら寝ぼけたことを言う伊織。 ・・・・・・ったく・・・。 「日頃はお母さんに雷落とされても泣かなかったのに、目をウルウルさせちゃってさー・・・、あー、ほんと可愛かったなあ・・・。」 「あー、もう!保育園の頃思い出すのやめろ、バカ伊織!」 公立翠璃が丘高等学校。昔通っていた若葉保育園からそう遠くない場所に位置している。 俺と伊織はご近所さんでもあり幼なじみでもあり、二人とも若葉保育園の近くに家がある。 通学の手間や学費を考えると、ここ以外選択肢は無かった。 カッコ悪いが、中学でも成績上位者の伊織に勉強の指導を頼み込んだ。付きっきりの指導のおかげで伊織は首席、俺もなんとかギリギリで晴れて合格した。・・・・・・のだが・・・。 「お前、ホンット性格変わったよな!」 「そういうゆうくんは、喋り方とかも昔から変わらないよね。」 伊織は泣き虫から一変、ドSに変わっていた。・・・・・・あの頃は、可愛かったのになあ・・・。 「まーた、変なこと考えてない?」 「うおあ!?」 油断していたら、消しゴムを額にポコッと当てられてしまった。くそっ・・・。 「きちんと勉強(と俺)に集中してよね・・・。放課後勉強付き合って欲しいって言ったのは、ゆうくんでしょ?」 「あ、ああ・・・すまねえ・・・。」 ん?なんか今、伊織の言ってることに違和感が・・・。・・・・・・気のせいか・・・。 カリカリ、カリカリ。 西日が教室をオレンジ色に染める中、問題集を解いていく。 「・・・・・・?」 いつもに比べれば順調に解いていたが、応用のところでつまずいてしまった。 「・・・・・・。」 なんだ、ここ・・・。xを代入・・・?いや、それだとここが・・・・・・。 意地で解こうとすると・・・。 パコッ 「いてっ」
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