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それから1年。ぼくは年長さんになって、あやかは1番の親友になった。
「あやかー!」
「!そうた、おはよー!」
満面の笑みで挨拶を返してくれると、その日1日が楽しい日になりそうな気がしてくる。
「こらー!まちなさーい!」
「わー!先生が怒ったー!あやか、逃げよう!」
「うん!」
先生にいたずらして、あやかと手をつないで園庭を逃げるのはドキドキした。
つないでる手が離れなければいいのにって思った。
「あやかくん、おままごとの方をしたいわよね?」
「えーとっ、うーんと・・・。」
「あかねちゃん、あやかはドッジボールの方をしたいんだって!」
「違うわよ!」
『どっち?あやか!(くん!)』
「あうー・・・・・・。」
他の子にあやかをとられたくなくて、あやかを困らせてしまった。結局、お昼寝の時間まで決まらなかったんだけど。
「そうた!」
「今日は何する、そうた?」
「そうた、また明日!バイバイ!」
僕にだけ向ける笑顔を見る度、胸がキューッと苦しくなって、でも、だらしない顔になっちゃうくらい嬉しいのもおんなじくらいあって。
他の友達と違う、親友だからだと思ったけど・・・。なんか、そう思うとモヤモヤして。
なんだろう、これって。
ある日、ぼくは気づいてしまった。
「ねぇ、そうたくんは好きな子いないの?」
ご飯の時間に、あかねちゃんが突然聞いてきた。
「・・・・・・?好きな、子?」
「・・・・・・え?」
「好きな子って・・・・・・?どういうこと?」
「知らないの!?」
わからなくて聞き返すと、あかねちゃんは驚き、ポカーンとし、ため息をついた。?え?知らないとおかしいことなの・・・?
「好きな子ってゆうのは、ずっと一緒にいたい人のことよ!」
「なーんだ、あやかのことじゃん!」
そんなの簡単なことだ。もちろん、親友のあやかに決まってる。
「あんた、そういうことじゃなくて・・・!」
「?どういうこと?」
「・・・・・・。もういいわ・・・・・・。」
あかねちゃんはふかく、ふかーくため息をつくと、またご飯を食べ始めた。ぼく、間違ってるの?
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