片割れと片割れ

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「よお!さやコンビー!」 「コンビじゃない!」 「え?コンビじゃないの?」 「ささがそんな風に言うからまたからかわれるんだよ!」 まったくもう・・・。毎回毎回挨拶する度にからかってくるゆうたもだけど、ささにもあきれてくる・・・。 ぼくはさや。そしてぼくのおにいちゃんもさや。 ぼくとおにいちゃんは双子。さらに名前まで同じだから、今のゆうたみたいに、面白がって「さやコンビ」と呼ばれることもあるけど、いつもはおにいちゃんの方が「ささ」、ぼくは「やや」と呼ばれている。 「ささー!ややー!おはよう!」 「えっと、ささくん、ややくん、おはよう。」 「そうた!あやか!おはよー!ほら、ささ!ふたりが来たよ!」 「んー?ああ、おはよー。元気だねー・・・。」 「ささの方は眠そうだなー。」 いつも通り、ささが眠らないように揺らしつつ、そうたたちと話す。 ・・・・・・あやか、ささとややでいいのになあ・・・。呼びづらいだろうに。ま、いいや。また今度言ってみよう。 「そういえば、やや!」 「うわっ、突然どうしたの?」 「あのさ、昨日TVで観たんだけど、双子ってほんとに気持ちが分かるの?」 「?誰の?」 「えっと、ささだったらやや、ややだったらささの気持ち、分かるのかなーって。」 「うーん・・・・・・。」 ささの気持ちかあ・・・。好きなものとか、そういうのは見てれば分かるし・・・。 「それで、わ、分かるの?どうなの?」 キラキラした目で聞いてくるそうた。・・・・・・どうしよう。ホントのこと言うのも、なんかちょっと・・・。 「うん、分かるよー。」 「ささ!?」 「ほ、ホントに!?」 そうたはもうワクワクが止まらなくなってる。ささ・・・・・・どうするんだよ・・・。 すでにぼくは、ささが考えてることが分からないよ・・・。
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