片割れと片割れ

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「え、じゃあ、ややは今、ささの気持ち分かるの?」 「え!?あーとっ・・・あー・・・うん!」 全然分からない。どうしよう。でも、今更分かりませんとも言えない。ざいあくかん?がすごい。 「すごーい!じゃあ、今ささはどんなことを考えてるの?」 「ね、眠たいって・・・。と、とっても!」 誰でも見れば分かることを伝えると、そうたの顔の輝きが増す。・・・・・・ごめん。その顔で見ないで。さやかはさやかで苦笑いをやめて。 「わー、やっぱり双子って気持ちが分かるんだ!いいなあ!」 「う・・・うん・・・。」 そうたはあやかを引っ張って室内に入っていった。 ・・・・・・そうた、ホントにごめん。心の中で謝ると、ふと、さっきからささが一言も話していないことに気づいた。耳を澄ますと聞こえる寝息。まさか・・・。 「・・・・・・むにゃむにゃ・・・。」 「ねるなー!ささ、もう朝の挨拶の時間になっちゃうよ!」 ささは靴箱に寄りかかって寝ていた。・・・・・・なんで立ったまま眠れるのか、まったく分からない。こういう時に気持ちが分かったら便利なんだろうけど。 またささを揺り起こしつつ、さっきのそうたたちと同様、教室まで引っ張っていった。 「よう!さやコンビー!」 「だからコンビじゃないってば!」 「んー・・・。」 「また寝ないでよ!ささ、バカにされてるんだよ!」 お絵描きの時間になると、ゆうたといおりがやってきた。また、ゆうたはからかってくる。 ・・・・・・嫌だなあ・・・。毎回、さやコンビって・・・。 「・・・・・・やや?」 「おい、どうしたんだよ?」 急に黙り込んだぼくを心配そうに見上げてくるささ。不思議そうに聞いてくるゆうた。 今は、どちらの顔も見たくない。 「・・・・・・じゃないのに。」 「はあ?聞こえねえよ、もっと大きな声で・・・」 「ぼくは、ささの分身じゃないのに!いつもいつも、ぼくとささが同じみたいに言って!いい加減にしてよ!」 そう叫び、そのままあやかたちのところへ逃げた。
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