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「・・・・・・ゆうくん。」
「い、いや、おれはいつもささとややが一緒だからさやコンビって呼んでただけで・・・!」
「・・・やや・・・。」
「もうもうもうっ!!!」
「あー、ややー・・・。うしさんみたいだよー・・・?」
「ややくん・・・。」
ゆうたとささ、2人に対しての怒りが収まらない。
そうたとあやかが積み木で遊んでいるところに逃げてきた。
「・・・・・・ささのばか・・・。」
そもそも、ささがからかわれても言い返さないのが悪いんだ。だから、いつもいつもゆうたにからかわれるんだ。そうなんだ。
「ややー・・・・・・。」
「ややくん・・・。」
ふたりが心配そうに声をかけてくる。
さっきのささの表情と重なる。
「・・・・・・ささが、悪いんだ・・・。」
「あのー、やや・・・。」
黙々と積み木を積んでいく。
「ややくん・・・その、あのね・・・。」
・・・・・・あれ?
「その、積み木ちょっと分けて欲しいな・・・。」
「!あっ、ご、ごめんなさい!」
「い、いや、大丈夫だよ。」
気がつくと目の前にはお城。箱に入っていた積み木全部を1人で使い終わっていた。・・・・・・そうたたちに迷惑かけちゃったな・・・。
「ほんとに、ごめん・・・。」
「んーん。大丈夫だから!・・・それよりもさ。」
「?」
突然そうたが右手、あやかが左手を掴んでくる。
「え、どうしたの・・・?」
「おまじないだよ!」
ふたりが目をつぶって、しばらくしてからそうたが言った。
「おまじない・・・・・・?」
「うん、仲直りのおまじない。ぼくとあやかの仲良しを、ややにもあげる!ややは、ささと手をつないで仲良しを分けっこすれば、仲直りできるんだよ!」
「べ、別にケンカしてるわけじゃ・・・。」
「ややくん、顔を見れば分かるよ。悲しそうだもん。」
悲しそう?・・・・・・そっか。そういえば、積み木を積んでる時もささのことばっかり考えてた。
・・・・・・仲直り、したいな。
さっきのささの傷ついたような顔を思い出すと、自然とそんな気持ちが湧いてきた。
「・・・・・・がんばってみる・・・。」
「うん!きっとややなら仲直りできるよ!」
「・・・頑張ってね、ややくん。」
2人に応援してもらい、なんとか今日仲直りすることを決めた。
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