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〔ご飯の時間〕
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
む、無理だ。いつもと違ってささがしゃべらない。怒ってる。怖い。
ご飯の時間には仲直りできなかった。
〔お外遊びの時間〕
「さ、ささー?外に遊びに・・・。・・・・・・あれ?」
いつもささが寝ているはずの、教室の隅っこ。珍しくいなかった。
外に出て砂場のところや遊具のところを見ても、ささはいなかった。・・・・・・ささ、いつもぼくの行きたいところについてきたから、ささがどこへ行きたいのか分かんない・・・。
その後も見つからなくて、仲直りできなかった。
「せんせーさよーならー!」
「はい、明日も元気に、さようなら!」
・・・・・・。結局、帰る時間になってしまった。
いつもは迎えに来るのが遅いけど、今日は早いって、朝お母さんが言ってた。
だから、仲直りするなら今しかない。
「さ、しゃさ!」
「・・・・・・やや・・・。ぼくはささだよ・・・。」
いたい。ベロが、ベロが・・・・・・!慌てて声をかけたから、思わず噛んでしまった。
「・・・・・・しゃさって・・・。」
くすくす笑い出すささ。もしかしたら仲直りできるかも・・・。
「さ、ささ!あの、えっと・・・。」
「・・・・・・ぐぅ。」
「・・・え?ささ、えっ、ささ!?」
左右にゆらゆら揺れる頭。目はだんだんと細められて・・・。
「立ったまま寝ないで!?」
「・・・んー・・・。」
ささをなんとか揺り起こす。
「・・・ごめんね?」
まだ半目で話すささ。・・・・・・なんだか、あんなに謝ろうとしてたのが馬鹿みたいだ。僕ばかり気にして、結局ささにとってはどうでもいいことだったのかも・・・。そう思うとなんだか胸がチクチクして、ささに怒鳴りたくなって・・・。
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