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「おおっ、おかえりー!」
「ただいまー!」
いつもみたいに勢いをつけて、タックルみたいに抱きつくと、ママも負けないくらいにギュッとしてくれる。
「今日のおやつなにー?」
「今日は、そうたの好きなドーナツよ!」
「ヤッター!」
手洗いうがいをしてから、ドーナツをむしゃむしゃ食べる。おいしい!甘い!とってもおいしい!ママのおやつは世界一だ!
「ほんと幸せそうに食べるねー、ダイエット中なのに、そうた見てるとドーナツ食べたくなってくるじゃん(笑)」
「はへれわいいじゃん(食べればいいじゃん)」
「何言っとるのかわからんわ(笑)」
もぐもぐ、もぐもぐ。
ドーナツを食べ終わってオレンジジュースを飲んでいると、保育園の話になった。
「今日は何したの?」
「んー、なんか、好きな人?について聞かれたー。」
「あらあら、可愛らしいわね。ところで、そうたの好きな人は?」
「あやかくん!」
「ほんとにあやかくん大好きねー(笑)」
「うん!あやかとずーっと一緒にいたい!ママとパパみたいに!」
「・・・・・・!そういうこと・・・。・・・・・・ええ、そうね・・・。ずっと、一緒にいられると、いいわね・・・。」
?ママの笑顔が、一瞬消えた気がした。
「でもね、そうた。」
今度は、真剣な顔になった。
「それは、秘密にしなきゃいけないことよ。」
「?なんで・・・・・・?」
「それは・・・。」
まただ。あの時の、あやかと一緒の顔。どこか寂しそうな、心がズキズキする顔。
「そうた、あのね。男の子が男の子を好きになったら、おかしいのよ。」
・・・・・・?おかしい?なんで?
「・・・・・・なんで?」
「それは・・・・・・。」
ただ、ずーっと一緒にいたいのに。側で笑ってて欲しいのに。
おかしいことなの?
なんで・・・?
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