毒舌少女の旅立ち

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眼科近くのコンビニでアイスを買い買った後に「このまま家に帰れば溶けてなくなるなぁ」っと気づきコンビニ前で食べることにした。なぜそんな当たり前のことを考えなかったのかは、暑さで頭がやられていたということにしとこう。しかしこんなアイス1本で幸せな気持ちになれるのだから私は単純な生き物だなぁと感じながらアイスをシャクシャク食べていく。 いつだったか母が言っていた。例えこんな暑い夏でもいい歳にもなってアイスを一心不乱に食べるのはみっともないから、そんな時は暑さを利用するのよと。暑さでアイスが溶けていくから仕方なく早めに食べるのか、アイスを喰らうように食べるのかを分からないようにすれば「なんでそんなに早く食べるの?」って聞かれた時に聞こえが良さそうな方を使えばいい歳になってもアイスにかぶりつけるわ!これが本音と建前の二段構想よ!と。今考えても『本音と建前の二段構想』の意味が分からない。なんで当時幼い私にそんな話を…。でもそんな訳の分からない話をイキイキと話す母が好きだった。 いい歳か…20年くらい生きてきた私は、いつになったら『いい歳』になれるのだろうか。 アイスの棒をコンビニ備えつけのゴミ箱に捨て上を見上げる。 「それにしてもなんか、暗い。まだそんなに暗くなる時間じゃないと思うけど…」 (いや、視野が狭くなってる?眼、眼が見えな…) 「やーっとみつけた」 「なんの声!?」 「何のって目の前にいる僕の声だよ」 「目の前って、どこにいるの!?」 「あー…そこまで進行してたか。くそっもっと早く見つけてりゃぁよかった」 (な、なに?なんの話を?この声は?) 「えーと、ファイルどこにやったかな」 なにかを探している音が聞こえる。だが見えない。闇だ。 「あったあった。よし。ふむふむ、時雨ゆかり、19歳。ほー若いねぇ、趣味、体を動かすこと、ほー元気があっていいねぇ、これから活躍できそうだ。ほうほうそんでもってツッコミ気質なのね」 「な、なんで私のことを…!? は?ツッコミ?」 「えーっと、次は3サイz「言うなぁあああああああああああ!!!!!!」 「お願いだからいわないでぇえええええええええ!!!!!!!」 「元気だねぇ」 (元気だねぇじゃねーよ。なにこんな街中で女性の3サイズを言おうとしてんの?バカなの?変態め!)
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