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「ファイル確認終了。これより行動を開始する」
さきほどの男の声とは思えない凛とした声がした。
「時雨ゆかりさん。あなたはさきほど眼科に行き『飛蚊症』と診断されましたよね?」
(なにこいつ、まじもんの変態さん?)
「あはは、その侮蔑的な態度は肯定ととるよ?」
「で、今現在、眼が見えてない。でしょ?」
男は続ける。
「一つ教えてあげよう。君の症状は『飛蚊症』なんかではない。」
(は?なに言ってんだこいつ)
「はは、面白い顔するね君。正式な病名とかはないんだけどね。我々はその症状を『隔離症』と呼んでいる」
「隔離症?」
(我々?)
「そう、隔離症。そしてその症状を治す、手立てもある。あぁ、最初に言っておくよ。今人材が不足しててね。拒否権はない。まぁ君も殺されるよりいきたいでしょ?逝きたい、じゃなくて生きたい、ね」
「そりゃ、死ぬよりは生きたいけど」
「そう、よかった。いやー断られたらどうしようかと思ったよ。じゃあこれで消毒してっと。少しチクッとしますよ~なんちゃって」
(は?痛っ!なに!?注射?)
(そんなことよりも…)
「裏声キモい」
「毒舌だねぇ、でもほ~ら眼が見えてきた」
「あっ、光が…」
(やった。眼が見えるようになった!)
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