毒舌少女の旅立ち

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突如空から白のローブを纏い顔をフードで隠し両肩から白い羽の生やしているものが現れた。 「な、なんなのよ、あれ。あなたの友達!?」 「残念ながらあんな気味悪いのが友達にいないなぁ」 「あれが君の死神だよ、きみを殺しに来たんだ」 (殺しに?) (うそ、本当に私死ぬの?) 「あの眼科の先生を心のなかでデブ医者なんて呼んだから!?」 「ははは、君案外余裕あるねぇ」 「対象者発見。そこの女を『時雨ゆかり』と断定する。これよりバグの消滅を実行する」 無機質な声が辺りに響いた。 「な、なんだか怖い声してるわね」 「そりゃね。人間に恐怖を感じさせて動けないようにするためだからね」 「あなたは大丈夫なの?」 「まぁね。『プロ』ですから」 「プロ?」 そう言うと男は目にも止まらぬ速さでゆかりの横を走り抜け、白いローブの頭上まで飛び上がった。 (はやっ、たかっ、あの変態さん人間やめてるんじゃないの?) 「ピー。外敵と判断。対象者と共に消滅対象とする」 白いローブを纏ったものは右手の人差し指を男の胸辺りに向けそう宣言し。指先から光の筋を放った。 「そりゃどうも。でも遅いかな?」 放った瞬間、男は光の筋を左に躱し、右手をハッピの袖に入れ拳銃を取り出し 「さよなら~」 バンッ!と放った。 白いローブを纏ったものはサラサラのかすかな音を立て消えていった。 「ちょ、ちょっとあなた。拳銃だなんて、法律違反、てかあのローブ着た人消え…!?」 「あははは、混乱してるね?。これはね回転式拳銃って言うんだよ?」 「そこじゃない!」 「男のロマンだよね~」 「聞いてない!」 「まぁ人じゃないし。いいんじゃないかなぁ」 「人じゃないの?」 「あいつらはね、『天使』って言って、この世界のバグをなくすために動いてる機械のようなものだよ」 『対象者発見。そこの女を『時雨ゆかり』と断定する。これよりバグの消滅を実行する』 (そういえばバグだのなんだのって言ってたっけ。)
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