おもいで

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 *** 「クッソー、テルユキめ、おぼえてろ!」 「へっへーんだ、あっかんべぇ! ……おい、大丈夫だったか?」 「ひっぐ……テル……」 「怪我してないな。ほら立てるか、ハルナ」 「ぐす、うわあぁ~ん! こわかったぁ!」 「わっ、抱きつくなバカ! あいつら逃げてったから。安心しろ、な?」 「うん……けどテル、怪我してる。ちょっとみせて」 「いいよ、ただの擦り傷だ。そのハンカチ、お前のお気に入りだろ」 「いいの。言うことをきいて」 「むぅ、好きにしろぃ! …………おっ?」 「テル、見て。雪が降ってきたよ」 「もう三月だってのに、今年はよく降るなぁ……そうだ! 良いもの見せてやるよ。いつものとこ行こうぜ」 「丘の公園? もう夕方になるよ。帰りがおそいと怒られないかな」 「へっちゃらさ! 走れば間に合うよ、行こう!」 「いたいっ、テル、手つかむのいたいよぉ!」
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