第1章

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「おーい、外でバレーボールしようぜ!」 クラスのリーダー格の男子のリョウが、教室内の生徒に声をか ける。 今日は天気がいい。外で遊ぶのには格好のお昼休みだ。 「あ、アホ毛はくるなよ。ボールに毛が生えて栗みたいになっ たらこまるから」 リョウが私に言った。私のあだ名は「アホ毛」だ。 抜いた髪の毛が新しく生えてきて、その短い毛がたくさん伸び ているからだ。 短すぎる毛は、ムースでもハードワックスでも倒れてくれない 。 私は常に短いアンテナを無数に立てていた。
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