第1章

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やめたいよ。 できることなら。髪の毛を抜くことなんて。 アホ毛は増えるばかりだし。 ちらほらとハゲもできている。 髪型を変えて隠したり、あとは同じ箇所を抜きすぎないことで 大きなハゲはみんなに知られていないけれど。 髪は女の命っていうじゃない? 私はじゃあ、その命を捨てているようなもんかな。 だけど、髪の毛を抜くと、気持ちがすっとするんだもの。 髪の毛を抜くのと同時に、いらいらも抜けていく感じ。 やめたいよ。 だけど、やめられないの。 ぷちっ。 ぷちっ。 私は今日も、命を捨てている。
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