すがら/なから

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冬泉 ? 4月3日 寺町を抜けて墓石を顧みる(り) ①図地うらがえる記憶のかなた ②耳廃(し)いて聴く五衰の匂い ③香ひとつかみ治天の君へ 谷中にはこだわらず…①振り返った時の感覚。②「耳しひて聞き定めけり露の音」(圓朝辞世)③隠棲と院政。香を出したくて。 次は花の定座です。 り(PN) ? 4月3日 香ひとつかみ治天の君へ ①錦繍を身に纏う花憎からず ②絢爛を水面に映し笑む花や ③艶やかに赤白散らす花なれば ①「錦繍に時めく花の憎かりし」(曽良)と②は治天の君を花と見て。 ③ひとつかみ → 散らす り(PN) ? 4月3日  院政を後鳥羽院とし素直に西行に行く手もありましたね。    願はくは花の下にて春死なん そのきさらぎの望月のころ 冬泉 ? 4月3日 錦繍を身に纏う花憎からず(り) 遠流の島に胡蝶群れ飛ぶ 運命の輪の回転→「猫の子のくんづほぐれつ胡蝶かな」(其角)→英一蝶の赦免と連想。 後鳥羽院を挟んでしまうと治天の君と遠流が打ち越しますが、これは別件で。 ここで長短交代して次も私。お待ち下さい。 冬泉 ? 4月3日 名残折立は春季。未使用の旧作を流用。 ①百千鳥豪華客船ばらばらに ②蜘蛛の巣も露もみどりの茶摘籠 ③畦青む先祖は海の向こうから ①鳴き声。②蜘蛛の巣・緑=夏、露=秋、茶摘籠=春と季語だらけだが、今回の季語は茶摘籠。③外からの風。 次は雑か春で。 り(PN) ? 4月5日 蜘蛛の巣も露もみどりの茶摘籠(冬泉) ①仏に縋る民の切実 ②深紫の銃痕穿ち ③海降る双子星の爽快 ①籠→加護。 ②緑→新芽→黄緑→紫(補色→蜘蛛)→ディープパープル→チャイルド・イン・タイム。 ③露→雨→ロシュワールド(フォワード)。 り(PN) ? 4月5日 送ったつもりで忘れていたみたいです。 り(PN) ? 4月5日 補色→捕食→蜘蛛。 冬泉 ? 4月7日 深紫の銃痕穿ち(り) ①いつまでと化鳥啼く炉の上の空 ②快活にわれを嬲りし少年兵 ③はかなしとすべなしの差 楚(すわえ)伸び ①妖怪と溶解。 ②銃弾飛び交う中での無感覚みたいな。 ③楚は幹の横から伸びた細い若枝。人事を観相に置換。 次も雑です。 冬泉 ? 4月7日 "child in time"とは逆方向でしょうが、村松健『子供の時間』に久しぶりに耳を傾けていました。いつかはといつかの差。
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