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「うそっ・・・どうしてあなたが」
「それはこっちのセリフだ。どうしておまえが」
ある二人はお互いの存在に気づき、驚愕した。
「こんな悲しい結末になるなら、あなたのことなんて好きにならなければよかった」
そういうと女は剣を抜き男に斬りかかった。
「たしかに悲しい結末だ、けどこれが運命なんだろ」
男もただやられるわけにはいくまいと剣を抜き女に斬りかかり
剣がぶつかり合い鍔迫り合いとなった。
「そんな中途半端な気持ちで俺を倒せると思ったのなら、考えがあまいぞ」
鍔迫り合いになった際、女の目に涙が浮かんでいることを確認し男は自分の気持ちを押し殺し冷たい言葉を吐き捨て女を蹴り飛ばした。
「っ、私は、それでも、お互い敵同士になっても、それでも!!」
腹部を蹴られた痛みを耐え自分の気持ちを吐き出し顔を上げるとそこにはもう彼はいなかった。
「そう、これが答えなのね、ディーノ・・・」
そう嘆くと握りしめていた剣を落とし、自身も静かに地面に崩れ泣き出した。
その声は誰に聞こえることもなく、ただ降り出した雨にかき消された。
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