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「ひゅうひゅう、お前らそうだったのか?」
と冷やかす。
「テスト前に、ノート貸してもらったり、苦手な所、教えれもらったでしょ。嬉しかったから、やだ、深い意味ないのよ」
「あ、ありがとうー。いやー、思ってもみなかった。教えたなんて…。そんな、あれぐらいのこと。いや、もう、ははは、感激だな、こんなの。いいのに。うわあ」
と、喜びを隠せない素直な性格の俺。
「耕太郎に深い意味?ある訳ない、ないない。あったら許せん。な、な!」
と、反対隣りに座っている早坂が、嫉妬心むき出しで肘押しする。
「あら、でも、真里菜、結構耕太郎くんの事、買ってるよね…イイ感じじゃないの」
「やだ、麻衣ちゃん。変なこと言わないでよ、みんなの前で…」
「うへえ?そりゃないでしょ!耕太郎よりは、俺の方がずっとレベル高いんだけれどー!!」
「どこがだよ?鏡、見ろや」
とかなんとか、がやがやと騒いでいた時だった。
沙里が、いきなり飛び込んできた。「定休日」の札が掛かっているのを無視して。
からんからーん、とドアの開く音。みんな一斉にドアの方を向く。驚いた沙里の顔があった。
「あれ?なに、今日、休みじゃないの?」
と、ちょっと当てが外れたのが不満だったのか、突っかかった様に言う。
「よ、よお」
と、軽く声を掛けてから、仲間の方をちらりとみて
「学校の友だちだよ。バーベキューの準備で、ちょっと集まっているんだ。えっと、コイツは、すぐそこに住んでいる…ま、ええと、幼馴染とでもいうか…」
と、説明する。
「おっす!」
「こんにちは」
「よおおっす」
と、一斉に返す。沙里に
「なに?なんか用事あった?」
と、聞く。
「べ、別に…。用事がないと来ちゃいけないの?」
と、沙里は不機嫌。仲間の一人の麻衣ちゃんが、そのやり取りを面白がってか
「こんにちは。一緒に、ここ、座らない?」
と、テーブルに誘う。
「いいけど」
と、言いながら沙里が近づいて来たが、俺の前にある可愛らしい包みを見つけると
「あれ?コレなに?コ―タロー、もしかして?」
と、怪しむ。
「耕太郎は、今日、モテモテだよ」
と、性格の悪い山下がふざける。沙里は贈った主を突き止めようと、女子の顔を一人一人観察してから
「へー、そうなんだー。幸せそうだね、コ―タロー」
と、こちらを睨みつける。よせよ、恐いな。俺のせいじゃないだろ。沙里が低い声で
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