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「いやぁ、道を急に飛び出したら危ないから気をつけた方がいいよ」
「いや……急に飛び出して来たのは貴方だったような……」
思わずリュゼが突っ込んだその時。
「だ、だめよ、リュゼ!」
レイナが頬を膨らませてリュゼと男の間に割って入る。
「この人ばっかり責められないよ! リュゼだって、いきなり人に向かって魔術を撃つなんて……一歩間違ったら怪我じゃすまなかったんだよ」
「う……ごめん」
ばつが悪そうにリュゼは目を伏せる。
「ほら、リュゼ。ちゃんとこの人に謝って」
「うん。あの……本当にすみませんでした。どうかご無礼をお許しください」
「そ、そこまで謝らなくてもいいよ。でもいきなり撃つなんてどんな教育を受けてるのかな」
「なんなの、この人」
「あ、あはは……ここは抑えて抑えて」
流石に若干引き気味のレイナも改めて男に向き直り、ぺこりと頭を下げる。
「本当に申し訳ありませんでした。私からも謝りますから許してくださいませんか?」
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