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隙をみて出会った時と同様、男は猛然とした勢いで二人の前から全力で走り去っていく。
だから、嫌なんだぁ!? などと意味不明なことを叫びながら遠ざかる背中を、二人の少女は呆然と見送るしかなかった。
「な……なんなの? あの人」
「さあ? でも、面白い人だったよね」
「面白いを通り越して、変人すぎるわよ、アレは」
相も変わらず親友の感覚のズレっぷりにリュゼは嘆息する。
「さてと、今日も一日頑張りましょう? レイナ」
「うん」
やがて歩く二人の前に、その敷地を鉄柵で囲まれた魔術学院校舎の壮麗な威容がいつものように現れるのだった――
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