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気がつくと、見渡す限り青々とした草原に寝転んでいた。あのときは体に傷一つないことに驚いた(笑)
ま、それからはゲームみたいな展開だった。
人影ひとつない、広大な草原。何時間経っただろう、とにかく歩くと、小規模ながら街が見えた。
その街に着いた時に、俺の顔を見た少女が狐につまままれたような顔をし、その直後一目散にどこかへ駆け出していった。なんなんだ?俺、そんなに人相悪いか?整った顔立ちとまでは行かないが、平均程度、凶悪な顔と言われた覚えは生まれてから1度もないし、少女に対し邪な視線を向けた覚えもないし、と考えていると、いつの間にやら少女はまた戻ってきて、俺の手をぐいぐい引っ張ってある一軒家に連れて行った。抵抗はしてないけど、見た目の割に結構力強いな。さすがゲームの世界(?)
で、そこからは強制イベント。
なんか・・・長老?らしきお爺さんが
「文献の通りじゃ!この方こそ勇者に違いない!」
と、街の皆さんの前で叫んでからはあっという間。
ポーションやお金を持たされ、武器・防具を身につけ、話を聞かされた。
まとめると、『魔王が突如出現し、世界を混沌に陥れようとしている』
・・・やらなんちゃら。
そして、俺が文献の勇者とそっくりなこと。
実際に見せてもらったけど、まるで鏡を見ているようだった。
街の人に数日間生活面でお世話になったことと、昔から頼まれると断れないところがあり、ゲームよろしく、俺は魔王討伐の旅に出ることになった。
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