第1章

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真っ白な光が一瞬だけ目の前を包み、視界が開けたときには・・・。 「どこだ・・・?ここ・・・・・・。」 俺と魔王は、ゲームとかでよく見るような『赤い絨毯が敷かれ、玉座がある灰色の壁が四方を囲む部屋』にいた。 「ああ、ワープ魔法初めてだったかな?」 「ワープ・・・。」 当たり前のように話すが、この世界でワープ魔法なんて最上級魔法の1つが使えるのは、1人しかいない。あくまで噂で・・・だが。 ・・・・・・『魔王』のみだ。 そして、前世での記憶(ゲーム)では・・・・・・。この展開は・・・。 「じゃ、勇者・・・いや、手下達から聞いた話ではレオ・・・だっけ?」 シグルドはカツカツとブーツの音を響かせ、玉座に向かう。 「なんか・・・想像とは違うかもだけど。」 どこからか黒い王冠が現れ、シグルドの頭上に鈍く輝く。 「やっぱり万全の状態でシないと、面白くないでしょう・・・?」 玉座に悠然と座り、数段上から俺に語りかける。 「・・・・・・最終決戦、始めようか。」 不敵な笑みを浮かべ、『魔王』は言った。 「あの・・・・・・ちょっといいか?」 「ん?どうしたの?」 一応挙手をしてから疑問を投げかける。 「なんで・・・・・・俺をわざわざ体力MAXにしてから戦うんだ?」 「ああ・・・・・・。だって、目の前で、自ら傷つけていくのが楽し・・・いや、相手がボロボロの状態で戦うのは卑怯かなーと思って。」 明らかに最後のところが棒読みで、突っ込む気も失せる。こいつ・・・ドSか。 ・・・・・・あれ?てことは俺、ただ殺されるだけじゃ済まないんじゃ・・・。 俺が嫌な予感に身を震わせていると──── 「水の精霊よ、我が命に従い、我に仇なすものを・・・・・・。」 ────魔王の呪文詠唱が始まった。しかし、呪文を唱えている途中で攻撃すればその効果は防ぐことができる。簡単に言えば呪文失敗だ。つまり、四の五の言ってる暇はない。 「呪文が長すぎたな、魔王!」 「!」 思いっきり叫ぶと、魔王の脇腹めがけて斬りかかった。
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