13 願いは届く…

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アヤの体は小刻みに震えていた。 寒さのせいなのか。 オレがキス、させてと言ったからなのか。 ジンは震えるアヤを抱き締めた。 両手で包み込むように抱き締めた。 好き過ぎて痛いと思うアヤを抱き締めた。 アヤの首に顔を埋め強く強く抱き締める。 耳元で小さな声でオレを呼ぶアヤ。 そのまま首に唇をつけた。 アヤの温かい体温が唇から伝わる。 アヤは固く目を閉じていた。  唇を合わせた。 アヤの柔らかい唇は冷たかった。 少し開いたアヤの唇。 割って舌を入れるとアヤの口の中は、 首よりも熱く湿っていた。 『……っ』 アヤの口がさらに開く。   熱い息がジンの口の中に流れ込んでくる。   漏れた息が白く流れ消える。 ジンの口から鼻から、 冷たい空気が入り、熱い息を吐く。 「……っ」 ふたりの顔の周りだけが異常に熱い。 『……ん……っ…』 アヤの湿った甘い吐息がジンを興奮させる。 アヤの吐息がジンを大胆にさせる。 自分勝手だと分かっていても、 昇降口の出来事をキツいキスで誤魔化す… アヤは少し苦しげに眉根を寄せて吐息を吐く。 「……ぅ、っ…」 アヤの背中に添えていた右手を下ろした。 密着した、ふたりの体の間に、 右手を割り込ませた。 制服の上からアヤの中心に触る。 ズボンの上で手に這わす。 アヤの体がビクンと跳ねる。 アヤは驚き唇を離した。 『ジン…』 ジンが触れた中心が ピクンと疼く。 思わず名前を呼んだ。 ジンは切なげにアヤの耳の下に唇を這わせた。 舌を固くし顎のラインをなぞる。 右手も連動して動き続ける。 アヤの体は大きく、小さく揺れた。 アヤの中心を刺激して蠢く手をアヤが掴む。 熱い掠れる声で、 『…ジン、オレもう無理、出ちゃうって』 虚ろな顔で白い息を吐きながら笑った。 熱い息、虚ろな顔。 もう一度、両腕でギュッと抱き締める。 首にキスをしながら、 火照った体で、 「この続き… 明日させてな」 ジンが熱くなった顔で言った。 アヤはジンの胸に頭を付けてコクッて頷く。 抱き締めているアヤの制服は、 凄く冷たくなっていた。
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