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彩(あや)とは紗耶の従姉妹にあたる子で軽度の自閉症持ちだ。
初めて会ったときは、無表情で何を話しかけてもこっくりと頷くくらいだったのだが、
紗耶に言わせると「しょうた気に入られたわね。ラッキー」だそうだ。
「そのうち声を聞かせてくれるわよ~いやー良かったー彩がダメなら付き合いも終わりかと思ったからさ~」
地に足つけてやって行くために、紗耶とふたりで故郷に帰ってきて、いきなりお付き合い判断テストをされるとは……思わずあの時はビビったっけと時計を見て懐かしく思う。
彩や紗耶は気に入ってたが俺には可愛らしい鳥のさえずりが、だんだんと大きくなるスヌーズ機能が目覚めには不向きだと感じてしまって、何か小さいケンカをするとスマホのアラームから、この彩の小鳥のさえずり目覚まし時計に置き換えられ、せっかくの休みの日にさんざんイタズラされたものだ。
「収穫は時計のみか……あの美形起きたら誰かに聞けって言ってたけど、外に出れば誰かいるのかもしれないな……外、行くか……待つべきか?……悩むな……」
-あれ、俺悩んでる場合かな?……だいたいあの金髪美形と会った後、俺はどれだけ眠っていたんだ。そうだ!一刻も早く紗耶の元に帰るのだ。
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