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「ふむ、それが心残りか……しかし一つ教えるなら今、君に与えられる情報は、現時点のトップシークレットなので、私も教えられんのだよ。しかも時間がない。
とりあえず落ち着いてこの家で休んではくれないか?」
-俺は紗耶の名前を聞いたとたん、チャッカマンよろしく怒りが着火し沸点に沸いちまったみたいだ。落ち着こう、うん。
「一応わかった。でも紗耶の名前を気安く出すなよ。」
「善処しよう。」
「聞けるのはそれだけか?」
-確か死にかけているらしいのだが……
「君のいた世界では、打ちどころが悪く昏睡状態といったところか。」
「さっきも言ったが、あまりいい感じじゃないんだ、心を読むのは止めてくれ、ムカつく」
「すまないな、最近私もハザマの住人とは話す機会がなかったために、上界の私の普通が出てしまうんだ。なにぶん非常事態でね。」
「まさか、俺もしかして非常事態に巻き込まれてる?」
「いずれ分かってしまうな。巻き込まれかけている、と言ったところか。我々ハザマの管理者がなんとか切り離そうとしているところなのだよ。これ以上は詳しくは言えん。
だからゆっくり休んでくれ、とりあえず」
-なんだろう、要するに俺の地球上の身体が昏睡状態で、死にかけているなら、俺は今、魂の状態で
そしてこのハザマとやらでは非常事態に巻き込まれかけている。いつの間に……
確認するか……
「要するにどちらの世界でも命危険ってことかー」
「いや、ハザマでの命の危険はない……
すまないな、時間切れだ。ゆっくり休め」
「待ってくれよ。まだまだだ……まだ……聞きたい事が……」
-眠い。記憶が遠ざかる……紗耶……
……この者には悪いが眠ってもらおう。管理者としての責務だ。
「すまないな、強制的に眠ってもらおう。」
-何を……ガタンッ
-こうして俺は意識を失った……
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