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-少なくとも、その海域にいた全ての人間はその日、驚愕した。いや、あるいは狂喜した人間もいたかもしれないが、少なくとも、ソレは彼らの主観ではまさに魔法だった。
「Hey!提督っ!あ号目標突入艦隊、準備OKデース!いつでもいけるデース!」
「あー。よろしい。今回は特例として提督たる私もキミ達に随伴する、各員の奮励、期待しているぞ?」
「この私にまかせなサーイ!」
あ号目標。二、三時間ほど前に彼女達が発見した正体不明の『裂目』。『赤城』『加賀』の彩雲を裂目に突入させたところ、先にも似たような『海』が広がっていることが確認できた。・・ただ、すぐに交信が切れたため、撃墜認定が下ったが。
「あの子達の仇・・!一航戦の誇りにかけても!」
「・・頭に、来ました。」
今回の裂目・・あ号目標突入艦隊編成は連合艦隊編成だ。・・最も、特例中の特例として、本来であれば二個艦隊・・すなわち12隻で編成するところを、今回のみ、という条件付きでだが、16隻で突入を行う手はずとなっていた。
編成内訳としては、空母に『赤城改』に『加賀改』、『大鳳改』。そして、戦艦に『大和改』『武蔵改』『長門改』に『陸奥改』、それに金剛型姉妹全員。直衛艦として『秋月改』と『照月改』、そして『初月改』を加え、更に偵察用に『利根改二』『筑摩改二』、と鎮守府でも選りすぐりの艦娘達がそろっていた。まさしく、『連合艦隊』の名に恥じぬ艦隊だった。
更に言えば、すでにあ号目標の近くに新たに開設された基地では全艦娘の出撃準備が整っていた。そして、提督からの出撃要請があればすぐさまに出撃、あ号目標内へ突入する手はずとなっていた。
「・・では、行こうか、諸君!」
・・そして、『裂目』を通り抜けた彼女達は驚愕することになる。
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