手の温もり

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ある日突然、私の視界が全く見えなくなってしまった 私の世界から光が消えたのだ。 昨日までははっきりとこの世界の事が見えていたのに。 何故、どうして、私の目からは涙が流れ落ちていた。 今私は、真っ白い病院のベッドで横になっている。 そして、野太い声が聞こえてきた。 「小西さん、あなたの目は網膜剥離によって失明しました。これからは障害者手帳を申請してください」と医者に言われる。 私は医者に 「先生、私の目はもう二度と見ることは出来ないのですか」と問うてみる。 医者は野太い声をさらに低くして答える。 「小西さん残念です。あなたの目はもう二度と物を見る事が出来ないのです。それは家族の方にもお話ししておいたほうが良いでしょう」と言うと医者が部屋のドアを開ける音が聞こえてきた。 小西は結婚しているがまだ子供がいない。
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