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妻のりさ子と仲良く暮らしていたのに、なぜ自分が失明してしまったのか。
悔やんでも悔やみきれない。
小西は仕事帰りに運悪くバイクと車の交通事故に遭遇してしまう。
その時飛んで来たバイクの破片によって小西の両目は傷ついてしまったのだ。
妻のりさ子は泣いていたが、小西の目は元には戻らない。
「あなた、これからどうしましょう。あなたは働くことは出来ないから、私が働きに出るわ。でもね。今私のお腹の中にはあなたの子供がいるのよ。あなたはこの子の顔を見る事が出来ないのね」と言うと声を殺して泣いている。
小西は目が見えなくなると、耳が良く聞こえてくるようになるものだと思った。
りさ子の姿は見えないのだが様子は感じられるのだ。
「りさ子、お前妊娠していたのか。なぜ早く行ってくれなかったんだ」
「あなた、最近分かったのよ。やはりあなたは気付いてなかったのね。私が良く横になっていたことを」
「ああ全く気付いてなかった。すまない。りさ子お金のことは心配ない。保険が下りてくるだろうから。それに賠償もしてもらえるだろう」と小西が言う。
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