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ーーある日を境に、僕は、人間の生き死について深く考えるようになった。つまり、ある日とは、僕が人を殺した日だ。
例えば、今この場所、駅に停車中である新幹線の車内から眺める、ホームに並んでいるサラリーマンの群れや、談笑している家族らしい一団とか、忙しく小走りしている駅員とか、旅行中らしき、大きなリュックをからって黙々とガイドブックに読みふけり、ただ乗り継ぎの新幹線を待っている男性とか、そんな他人を眺めながら、深く考えるのだ。
彼らは(あるいは彼女ら)は、はたして生きているのか、死んでいるのか、ずいぶん前から、考えるようになったのだ。
今日も思う。彼らの中に死人はいくらほど居るだろう、と。
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