第零夜。これが俺のやり方

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「おっ、レイジ。面白い企画を見つけたぞ!」 私と同居する、27歳フリーター。彼女ナシの どうしようもない男・丹野慎二(たんのシンジ) が、趣味のネットサーフィンでどうやら 金儲けになる、変な企画を見つけたようだ。 「『リアル脱出ゲーム×人狼ゲーム企画』 だってよ面白そーじゃねぇか。 やってみよーぜ!」 シンジは、仕事などあまり真剣にやらずに こうした賞金が出るイベントを見つけては 同居する私こと運野零次(うんのレイジ)を 誘っては、そこそこの賞金を稼いで凌いでいる。 なんだかんだで、困らないくらいには なっているので一人暮らしでもしたら? とは言ったりしたが、アパートを借りる などの余裕までは回らないくらいだ。 食うのに困らないだけで、生活には困っている。 それがシンジの現状だ。 一方の私は、と言うと夜の 地下ギャンブル店「ぎゃんぶるや」の 定員の一人として働いている。 客からは「勝負したいディーラー」の一人 として指名を受けたりするので、 金にはあまり困っていなかったりする。 その「ぎゃんぶるや」に客として やって来たのがシンジとの出会いになる。
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