第零夜。これが俺のやり方

6/11

4人が本棚に入れています
本棚に追加
/11ページ
「目的?そんなモノは無いよ。 金が手に入ったからギャンブルをしに来た。 本当にそれだけだ。嘘もデマカセも無い」 私は職業柄ではあるが嘘をつく人間と そうでない人間の区別はつく。 シンジはあからさまに後者の人間だ。 「そうだなー。僕の特技を見たら解るよ。 得意以上の何があるのか…な」 シンジはニヤッと不敵な笑みをうかべた。 こちとら星運学園大学附属高校を卒業した 経歴もある人間だ。星運学園を卒業した 人間には有名企業の重役クラスに 名を連ねる程の優秀な人物が揃う。 どこぞの探すのが得意な輩に負ける程 落ちぶれてはいない。今は「ぎゃんぶるや」で 腕を磨いている身ではあるが、 アルバイターごときに劣るようなつもりは、 クロワッサンのこぼれカス程も無い。 「お前の携帯電話に電話してやるよ。 ケータイぐらい持っているだろ?」 なんだ、そんな事か。と思った。 何しろ私の携帯番号は普通ではない。 絶対に私から教えないかぎりかけれない 番号に設定されている。万に一つも無い。 「やってみろよ」 私は、シンジに勝ち目は無い。 そう思って、疑わなかった。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加