敵うはずだったのに

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わたしには勝てない異性がいる。 わたしが女ってのもあるけど。彼にその昔、虐められてた。と言っても一年前の話である。 弄られていたのではなく、本気の虐めだった。 しかも最終的にハサミで前髪がうっとうしいと切られた恐怖した瞬間まであった。 それなのにわたしは彼が好きだ。 しかしこんなツンツンした性格で言えるわけがなかった。 そんな彼にこの二年間で一度も負けていないが勝てないものがあった。 わたしは廊下に貼り出された紙切れを凝視した。 学年一位が二人存在する。 それはわたしとアイツだった。 彼はそれを運命だと言った。
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