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全問正解でないのに。
「なんでだ!なんで二問間違えてこの結果なの!」
わたしは悔しかった。
「よぉ!またかよ」
呆れ返った彼は、ニマッといつものように笑った。
モテる理由は顔だけだと一昔のわたしならそう思っただろう。
わたしが黙ると彼はポンポンと頭をふわりと叩いてきた。
「止めて」
「お前って良い香りすんな」
そう最近気味が悪いくらい優しいのだ。しかも変態ぽい。
それはわたしが彼の理想だと前髪事件でバレたのがきっかけだった。
前髪アップの状態で彼を助けていなかったらこんなことにはならなかっただろう。
前髪の長いわたしが彼の求めた′′姫′′だと知らずにバレる前まで虐められた。
彼を助けた話の内容は黒歴史なため割愛しておく。
「姫さ、今度から一緒に勉強しようぜ」
姫ってよく人前で言えるなと恥ずかしいとわたしは思う。
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