ストレスが100になったらサヨウナラ

1/1
前へ
/9ページ
次へ

ストレスが100になったらサヨウナラ

 警察になったのは勿論、自由なことが出来るからだ。銃一の父親は警察庁に所属している。  警官・教員犯罪合法化の話はかなり前から知っていた。田中計画と呼ばれている。  企画した人物が田中という名前だった、らしい。 「LOVE」  西澤が言った。ムカつく奴だ。 「イチャイチャしてんじゃねぇよ!」 「オイオイ、君は本当に馬鹿なのか?」  西澤に言われてカチンときた!いくら先輩でも、人のこと馬鹿とか言うのは失礼だろ!?  理沙がクスクス笑っている。 「何なのマジで!?」  キムタクを気取ったが、スルーされた。 「テニスのルールも知らないなんて、世間知らずよね?」  理沙が調子に乗る。ウゼー!どいつもこいつも、オリンピックムードかよ!?ストレス溜まって死にそうだよ! 「0点のことだよ、LOVEってのは」  西澤に言われて、「へーへー」とボタンを押す仕草をしたがスルーされた!また、スルーされた!  高橋克実なんて古いですか、スミマセン(T-T) 「ギャグじゃないのか、病院行きなよ」  西澤は馬鹿にしたのだが、銃一はKYだ。 「西澤先輩って優しいんですのね」 「はぁ?」  銃一は疑問で仕方がなかった。キクモンが企画したはずなのに、何で田中計画と呼ばれるのか。  マカロフ刑事はよく言っていた。『キクモンってのは偽名なのさ、本名は田中カオルって言うんだ』 親父の知り合いで、房総警察署のトラブルメーカーだ。定年間際なのに、未だに巡査だ。 『余計なことに首突っ込んじゃうんだよなぁ、恩を仇で返されるタイプなんだよな』と、酒を飲みながら言ってたっけ。 「今のはいいサーブだよ」  ポンッ!2回戦は理沙が入れた。 「やっぱ、テニスはいいよね?」  理沙が微笑む。ウゼー、バカップル死ねよ。  パトカーのサイレンが響く。 「どっかで事件ですかね?行かなくていいんすか?」 「どーでもいいだろ?ヒッキーに任せとけ」  西澤が掌でボールを転がしながら冷たく笑う。 『余計なことに首突っ込んじゃうんだよなぁ』  マカロフの顔が脳裏を過る。 「余計な正義感は出世に響きますしねぇ」 「分かってきたじゃん。疋田のジジィってさ、加齢臭ひどくない?定年間際だし?もぅ、棺桶に片足突っ込んでるんだしさ、今が死に頃でしょ?」  西澤が拳銃を抜き、理沙に向けた。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加