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「てかさー。聞いてよ。こないだ彼とすごい久しぶりに遊んだんだけど、そ れからメールが冷たいんだよね。あたし何かしたかなあ。」 「どう冷たいの?見せてよ。」 「これこれ。」 彼女の携帯に映し出された彼らのやりとりでは、何か言う度に大好き、と付 けられていた。それが、男の方が一昨日あたりから言わなくなっていた。 「今まではずっと言ってくれてたのに。実際久しぶりに会って何か違うって なっちゃったのかな。どうしよう、、、。」 「多分、久しぶりに会って、充電できたから満足してて連絡もまめじゃなく なったんじゃないの?だって、会う前は、早く会いたいとか言ってるじゃ ん。それに遊んでるときの写真では楽しそうだし。」 「なるほど、、、。そう言われてみればそうかも。すごい的確なこと言うよ ね。やっぱり彼氏いるでしょ!」 またか、と呆れながら私はいつも通り否定する。 「関係ないでしょ。いないってば。」 奏太との関係は誰にも言いたくないから始まりも終わりも2人だけのものに しておきたかった。 彼女たちのやりとりを見て、思えば私と奏太は好きとか嫌いという前に、生きるか死ぬかという問題を抱えてお互いを必要としているのだと感じた。
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