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どうしても勝てない相手
ある一家の兄弟のお話。
それは、兄が泣いていた時。
弟は兄に話し掛けた。
「兄ちゃん、何で泣いてるの?」
「弟よ…俺は、今。最高に悩んでるんだ。」
「悩んでるの?」
「あぁ…。」
弟は面倒だなと思って退散しようとしたが、兄に袖を掴まれた。
そして、兄は一人で勝手に語り始めた。
「ソイツは、ボスと言ってな…どうしても勝てないんだよ。何回挑戦しても勝てないんだ。ダメージを与えても蘇るんだ。」
「…あぁ。モン○トね。そんな事よりさ、現実逃避しないでいい加減、仕事を探したら?」
弟は、兄を軽蔑の眼差しで言った。
そして、無言になった兄。
「……。」
「し・ご・と。探しなよ?」
「…はぃ。」
どうしても勝てない相手。
それは、ゲームでもなく、仕事でもなく。
やはり、一番は弟に勝てない事である。
―END―
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