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「なあ、知ってるか?珈琲よりも玉露の方がカフェインが多いこと」
「…知らない」
「なあ、知ってるか?俺も好きなのはお前だけってこと」
「……うん、知ってる」
そういって彼女は泣きながら笑顔を見せてくれた。
気がつけば彼女を腕の中で抱きしめていた。彼女の耳宛が頬にあたり心まで緩くなっていく。
どうして早く答えなかったのだろう。
俺は彼女が好きで、彼女に会いたいがために喫茶店に通っていたのに。
「ねえ、知ってる?今の私の気持ち」
彼女の瞳と唇に目を奪われる。これ以上は誰にでもわかることだ。だが敢えてここはこう、答えなければならない。
「知らないよ。俺はお前の気持ちなんてわからないから、教えてくれよ」
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