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「「あっ」」
司にルシアとケセルが小さな声を上げた。
自分達の少し先にある、シダが噛んでいたと思われる電線がプッツリと切れた。
「ジーク、危ない!」
切れた電線のかたほうは、高圧電流の流れるケーブルを剥き出しにしてターザンロープのようにこちら側へ向かってくる。
最も、こちらに向かってくることが分かっていれば司達三人のように避けるのは容易い。ただし、何か別のものに視線を奪われていると話は別になる。
「え……!?」
まだチョコレートのことで悩みながら真剣な眼差しをそちらに消費しているジークは、電線に気が付かなかった。
いくらジークがドラゴンで反射神経や身体能力に優れていても、もう間に合わない。先ほどシダの身体を通して一瞬味わったスパークとは話が違う。
「ジーク!!」
身体が勝手に動いていた。
ジークを突き飛ばした司が最後に見たのは、植物の繊維のように規則正しく管が並んだケーブルの内部。そして最後に聞いたのはやや低い破裂音であった。
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